君のHELPを見ないふりしてゴメン
君が今、助けを求めてくれたらどんなに良いか。
僕はあの時、君の助けを見て見ぬ振りをした。
事業で失敗し地方へ帰り、奥さんと離婚、子供とも離れて暮らす事になったんだってね。
僕は職場に未だ馴染めず、貯金も少ない。1人東京にしがみつくのに必死だ。
あの時君は、生と死の狭間を歩く程にボロボロの精神状態だったのかもしれないが、僕より地位も、金もあった。音大で準ミスの彼女もいたね。
僕の想像力は豊かじゃないんだ。
助けてほしいのは僕の方だった。僕には余裕なんて無かった。君のことは好きだけど、仕方なかった。
ただ、今の君の状況を聞いて「助けたい」と思えたんだ。心から。状況は変わらない、いや寧ろ以前より悪いとも言えるけど。
連絡しよう。
また一緒に酒を飲める日が来るかな。